映画『シン・ゴジラ』感想
※ネタバレ含みます。
ずっと見たかった映画『シン・ゴジラ』をやっと見てきました。
今までに見た関連作は第1作と、2014年の渡辺謙出演作の二つだけ。でもネットでの評判の高さに釣られて見たい見たいと願いながらも日程が決まらず、事前情報は避けるようにしてても耳年増になっていくばかり。ようやく見に行く日にちが決まっただけで嬉しかったぁ…
昨日は友人と上映時間の40分前に待ち合わせたのに、チケットは既に売り切れ!連休中の人出の多さもあったにしても、ゴジラ人気ナメてましたよ。
仕方なく、一番上映時間の近い別の映画館に移動し、なんとか次回のチケットを確保。そこでもチケット購入時に席の8割以上は既に埋まっていました。
感想としては、私は好きです!
内閣の不甲斐なさや縦割り行政のもどかしさ、それを知恵と努力で乗り越えて国民の為に尽くす官僚や政治家。外交下手のレッテルを跳ね返すような外国への根回し。
経済的な損失や事態収束後の各国からの支援との利益考量などなど、政治的な群像劇の要素に引き込まれました。
登場人物だと赤坂秀樹(竹野内豊)、カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)、尾頭ヒロミ(市川実日子)が特に好き。カヨコを見てピンヒールが履きたくなりました。
その他にも珍しくシリアスな役所の松尾スズキ、自衛隊幹部役の橋本じゅん、厚労省課長役の津田寛治、オタク研究員役の高橋一生も面白かった。豪華キャストなので、きりがないですね。リピーターが多いのも納得しました。
あとはゴジラの禍々しさ。
ゴジラキャラクターデザインの竹谷隆之さんは、『えの素トリビュート』に写真が掲載されたフィギュア『ウチュウのエノ』でそのエログロさと躍動感に満ち満ちた姿に衝撃を受けて以来その名を頭に刻み込まれていたので、『シン・ゴジラ』への期待値は自ずと上がりました。
実際にスクリーンで見たゴジラは期待以上の威容でした。2014年版が人類を救う神々しいゴジラだったのに対して、今作のゴジラは天災そのもの。私は東日本大震災で直接的な被害はなかったのですが、壊滅状態の街並みや避難所の様子はさすがに見ていて辛くなりました。
見終えた後、友人としばらく話し合いました。友人は特撮ファン兼ミリオタ、特に航空自衛隊の大ファンにして愛国者。思想信条は私とほぼ逆です。
意見は異なるだろうと予想していましたが、ゴジラにも自衛隊にも格別愛情が深い分、ガッカリしたようです。(でも、「2014年版と比べれば日本映画である今作の方が好き」と言ってたのには思わず笑いました。)
ただ、識者というのは有り難いもので、私が全く知らない過去の特撮映画、兵器や軍用機について詳しく解説してくれました。持つべきものはオタクの友人。
彼と仲良くなるまでは「愛国心はならず者の最後の砦」と盲信していましたが、一つ二つの要素で人との付き合いに壁を築き上げるのはもったいないなー、と考えを改めました。
曰わく、自衛隊が最初に使用する20ミリのガトリング砲は映画『宣戦布告』では敵を一網打尽にする威力のある兵器だそうです。『宣戦布告』のあらすじは「国籍不明の特殊部隊が日本に上陸し、国内外を震撼させる」というものでこれも面白そうなので見てみたくなりました。
話はどんどん脱線しますが、友人の感想を聞いて、マニアほど期待値や望む内容が細かくなって新作を受け入れがたくなるのはどのジャンルでも同じなんだと実感しました。
知識がない方が楽しめることもありますよね。
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